議会質問

2015年03月02日 更新

平成26年第1回定例会-02月18日防災対策、認知症対策

◆26番(北明範議員) 杉並区議会公明党の北明範です。会派の一員として、通告に従いまして一般質問いたします。質問内容は、防災対策、認知症対策です。
 それでは、まず初めに、防災対策についてお伺いいたします。
 今回の予算案で、耐震シェルター及び耐震ベッドの購入費の一部助成を計上していただき、大変にありがとうございます。これで、大震災が起きても、避難できない高齢者や要援護者の命を高い確率で守ることができます。区長初め理事者の皆様に感謝申し上げます。大変にありがとうございました。
 それでは、質問いたします。今回の助成について、助成対象建築物、助成対象者、助成金、予算についてお伺いいたします。
 昨年12月、三重県が開発した耐震シェルターを視察しました。この耐震シェルターは、水平力に対する強度実験、上方からの落下物による防護性能試験、試験体を地上5メートルの高さから自由落下させる耐衝撃性能試験の3種類の実大実験をクリアした、シェルターとして機能するに十分な強度を有することが確認されております。構造体の基本は木質パネル工法ですが、天井のパネルユニットには、上方からの落下物に対する強度性能を増やすため、鉄骨を用いております。木造のみのパネルユニットだと耐えられないとのことでした。また、昭和56年の新耐震設計基準前の建物が助成の対象ですが、古くて基礎や土台が傷んでおり、床を解体し、基礎から施工しなければならないケースが多いようです。
 それでは質問します。耐震シェルター及び耐震ベッドの購入費の一部助成については、東京都が耐震改修工法、装置の事例紹介で掲載されている工法が助成の対象基準になると推察しますが、工法は、木造もあれば鉄骨造もあります。また、耐荷重については、10トン、16トン、100トンとさまざまです。東京都のシェルター等の選択基準、選択方法はどのようになっているのか、お伺いいたします。
 次に、認知症対策についてお伺いいたします。
 先月、認知症対策で、我が会派の議員とともに、京都地域包括ケア推進機構と岡山大学病院を視察しました。京都府では、介護、福祉関係機関など39団体で2年前に設立した京都地域包括ケア推進機構が、このほど京都式オレンジプラン(京都認知症総合対策推進計画)を策定しました。認知症の初期からみとりまで、切れ目のない医療、介護サービスで、地域生活を支える流れを示した認知症ケアパスを全市町村で作成を目指すなど、京都全体で地域包括ケアシステムの実現を目指して、さまざまな事業を展開。京都のどこに暮らしていても、必要な医療、介護が受けられるようにするためには、あらゆる関係機関をコーディネートする組織をつくり、府を挙げて市町村を支援していくことが必要だと考えたのです。
 私は、症状が軽いうちに診断を受け、この病気を理解し、適切な支援を受けて、将来について考え決めることができる。私は、人権や個性に十分な配慮がなされ、できることは見守られ、できないことは支えられて活動的に過ごしている。
 これは、京都式オレンジプランを紹介する冊子の冒頭に、認知症である「私」を主語にした、10項目のアイ(私)メッセージが掲げられています。認知症になっても住みなれた地域で暮らし続けられるという京都が目指す社会の姿を患者本人の視点で表現したものです。
 オレンジプランでは、認知症を初期のうちに見つけ、本人を適切な医療やサービスに結びつけることなどを柱にしています。10項目のメッセージは、プランで進めている施策の評価指標にもなっております。
 それでは、京都式オレンジプランに沿って質問をさせていただきます。
 課題の1つ目、全ての人が認知症を正しく理解し適切に対応できる環境についてお伺いいたします。
 京都府では、本人、家族や身近にいる地域の住民が認知症を正しく理解し、支えるための環境づくりについて、認知症サポーターの養成講座の講師役を務めるキャラバン・メイトを、平成24年度から5年間で7,000人、認知症サポーターを、同じく5年間で9万2,000人から12万人まで拡大する目標を立てています。
 当区では現在、認知症サポーターは7,790人で、杉並区総人口に対する割合は1.44%で、京都府の25%程度です。また、キャラバン・メイト数は197人です。当区として今後どのように拡充させていくのか、お伺いいたします。
 認知症予防につながる取り組みについて、大切なのは、適度な運動、バランスのとれた食生活、禁煙等の推進です。私も毎週2回、70歳から90歳の方々に健康体操の指導を始めて5年になります。継続して参加している方々は皆さん元気です。運動をすることと楽しく会話をすることが健康にとって最も大切なことは、私自身、身をもって感じております。
 当区では65歳以上の高齢者は11万1,817人ですが、適度な運動を行っている方の割合と、認知症予防につながる運動について、今後区はどのように促進していくお考えなのか、伺います。
 介護予防事業などで、認知症予防の啓発活動や予防につながるスクリーニングなどを行うことは効果的です。また、全ての介護関係者等が早期に気づき、かかりつけ医に相談できる環境づくりは大切です。
 京都式オレンジプランでは、地域の中でも事業者間の連携の中心となるなど、リーダーシップを発揮し、地域の中で認知症支援の方策を実践できる人材である認知症介護実践リーダーや認知症介護指導者など、地域における認知症対策のリーダー育成に力を入れています。医療関係者においては、平成29年度までにかかりつけ医認知症対応力向上研修を実施し、949人から2,000人まで拡充をする計画。また、認知症サポート医を100人養成。看護師認知症対応力向上研修を実施し、2,000人拡充。認知症への対応力向上のための推進役として、独自に認知症サポートナース制度を創設し、200人養成。また、医師、看護師を除く医療関係者に認知症対応力向上研修を実施し、2,000人養成します。まさに地域や医療分野における人的資源の拡充が鍵と位置づけた取り組みです。
 我が国のオレンジプラン基準では、認知症介護指導者は5つの中学校区で1人、かかりつけ医認知症対応力向上研修者は高齢者人口600人に対して1人、認知症サポート医は一般診療所25カ所に1人、また、認知症対応力向上研修について、介護保険施設では最低職員1人が受講、居宅・訪問介護事業所などは中学校区1人となっていますが、当区の現状はいかがか、お伺いいたします。
 次に、身近に相談できる窓口の多様化とネットワーク化についてお尋ねいたします。
 京都式オレンジプランでは、認知症を発症された方やその家族等に対して、認知症の知識や介護技術の面だけでなく、精神面も含めた悩みに関する相談に対応するとともに、必要に応じて医療、介護、福祉等の関係機関につなぎ、継続的な支援を実施する地域に根差した認知症相談窓口の多様化を図ることを目的に、昨年10月より、認知症地域相談窓口設置モデル事業を開始しました。介護事業所を中心に10カ所立ち上がりました。週1回以上の相談を実施、必要に応じて家族交流会も実施しており、今後は中学校区域で1カ所の拡大を目指しております。
 さて、質問です。本人や家族が認知症かもと気づいたときに相談できる窓口の拡大と対応能力の充実について、当区では現状どのようになっているのか、また今後どのように推進していくお考えなのか、伺います。
 課題の2つ目、早期発見、早期鑑別診断、早期対応ができる体制づくりについてお伺いします。
 かかりつけ医は、認知症の人からの訴えを見逃さない感度と対応力が求められます。また、重篤化を予防するため、軽度の行動、心理症状であれば早期対応ができるかかりつけ医の養成が必要です。また、専門医療機関と地域包括支援センター等との連携も、かかりつけ医には求められております。京都式オレンジプランでは、認知症の人の標準的な診療手順や、地域での連携フロー例を掲載したマニュアルの作成や、かかりつけ医をサポートするスクリーニングツールや連絡シートを作成しています。
 ちなみに、新潟県柏崎市ではユニークな取り組みを進めています。ケアマネジャー及び地域包括支援センター職員が、かかりつけ医に高齢者の日常生活の状態を情報提供するツールとして、もの忘れ連絡シートを作成。このシートを活用することにより、ケアマネジャーや地域包括支援センター職員とかかりつけ医が、認知症において必要な情報を共有し、医療、介護が円滑に連携しながら在宅生活を支援できるようになることを目指しているとのことです。
 当区では、かかりつけ医、地域包括支援センターや専門医療機関などとの連携はどのようになっているのか。また、区民健診なども活用し、専門医療機関や相談窓口につなげる仕組みづくりはできないのか、あわせてお伺いいたします。
 課題の3つ目、途切れない医療体制づくりについてお伺いします。
 京都式オレンジプランでは、認知症の人の状態や進行状況に合わせて、いつ、どこで、どのような医療、介護サービスを受ければよいかを見える化し、認知症初期からターミナル期までの、認知症の人や家族を切れ目なく支える標準的な認知症ケアパスを作成するとありますが、杉並版ケアパスをつくってみてはいかがでしょうか、お伺いいたします。
 課題の4つ目、地域での日常生活・家族支援の強化についてお伺いします。
 認知症の人を支える地域づくりでは、地域の企業や商店などによる買い物、ごみ出し、通院に係る送迎等、認知症の人の生活支援の充実や徘徊等の早期発見など、京都高齢者あんしんサポート企業を700事業所から3,500事業所まで拡大の計画を立てています。また、認知症ではないかと不安を抱く人や、初期の認知症の人や家族が気軽に立ち寄れ、地域の人たちにも支持される場である認知症初期対応型カフェは、京都府では15市町村が実施しており、希望する事業所が増えているようです。当区ではこのような取り組みをされているのか、お伺いいたします。
 昨年12月、私が行っている健康体操のスタッフの方から、認知症の早期発見器が岡山大学で開発され、NHKで放送されたことをお聞きしたことがきっかけで、岡山大学病院の視察が実現しました。当日は、大変お忙しい中、装置を開発された岡山大学大学院生体計測工学研究室・呉景龍教授、共同開発をされました同大学大学院脳神経内科学・阿部康二教授からレクチャーを受けることができました。
 認知症の早期発見につながる装置は、手の指を使って短時間で検査できるのが特徴。2種類のくの字型の突起を、目隠しをして指先で触れ、角度の大小を識別してもらう仕組みで、認知症患者は識別率が低くなる傾向があります。
 試作品は、幅40センチ、奥行き23センチ、高さ13.2センチ、重さ7キロの箱形。上部のすき間に指を入れると、1秒ほどの間に2種類のくの字の突起が指先に当たりながら通り過ぎ、どちらが大きかったかをタッチパネルで選んでもらう。3分から5分、数回繰り返す。くの字の角度は自由に調整でき、特許出願中です。これまでの研究で、健康な人は、くの字の角度の差が10度未満でも判別できるのに対し、認知症の患者は、25度ほどの差がないと判別できないことがわかりました。
 現在、早期の認知症診断は、対面でアンケートを使った検査が一般的です。日時や場所、物の名前などを尋ねるもので、検査を受ける人の性格や知識などで正答率が変わってしまうこともあると指摘されています。より客観的に認知症かどうかを検査するため、呉教授は、指先で触れたものを識別する能力に注目しました。そして、ヒントになったのが、ランドルト環と呼ばれる視力検査の記号です。シンプルな記号を使うことで、言語や知識などに左右されずに客観的な検査ができると考えたのです。思いついたのが2本の直線を組み合わせたくの字の記号です。
 呉教授の研究成果は海外の学術誌に掲載され、注目を集めました。現在はスウェーデンの大学の研究者と共同で、認知症のメカニズムの解明に取り組んでいます。今後試作品を10台つくり、スウェーデン、アメリカ、ドイツ、中国、日本の医療機関などで臨床検査を行う予定です。来年をめどに、医療機関や福祉施設での実用化を目指しています。視力検査のように誰もが簡単に使える機器を目指して、認知症の早期発見につながる取り組みが注目されています。
 視察の終わりに、阿部教授より、議員が視察に訪れたのは全国で私たちが初めてであり、何かの縁なので、この機械を1台杉並区にお貸ししますよとのご提案をいただきました。杉並区で臨床検査となればさまざまな課題があるとは思いますが、前向きにご提案を受け入れていただきたいと思います。
 認知症対策は、杉並区だけでなく、全国、いや、全世界にとって大変重要な課題であり、イギリスでは認知症対策が国家戦略と位置づけられているほどです。高齢化が世界で類を見ないスピードで進んでいる我が国の対策は、全世界が注目していると言っても過言ではありません。そのような意味で、本区としても最先端の技術や研究に積極的にかかわり、この事例を含め、先進的な取り組みを推進していただきたいと思います。
 我々としても全方向にアンテナを張り、これからもさまざまな提案をさせていただき、杉並区の認知症対策の推進のため、取り組んでまいります。
 以上でございます。ありがとうございました。

◎区長(田中良) 私からは、北明範議員の一般質問のうち、認知症の相談等に関するお尋ねにお答え申し上げます。
 現在、区内の認知症高齢者は1万1,000人を超えておりまして、高齢者の1割を占めております。平成21年と比較をして約1,000人増加をしているということでございます。国の推計では、団塊世代が75歳になる平成37年には、高齢者の認知症の割合は12.8%、こう推計されておりまして、認知症対策はまさに喫緊の課題であると認識をしております。認知症の症状にはさまざまなあらわれ方がございまして、認知症を抱えるご家族のご苦労には、はかり知れないものがあろうかと思っております。
 そこで、認知症が重度化する前に専門医療機関につなぐ早期の相談対応というのが大変重要でありまして、都内でもいち早く区役所内に認知症コーディネーターを配置いたしまして、相談から迅速に専門医療機関へのつなぎを強化したところでございます。
 また、昨年8月には、浴風会と認知症早期発見・早期診断事業に関する協定書を結びまして、浴風会病院認知症疾患医療センターとの協力連携をより密にした取り組みを開始いたしたところでございます。
 今後は、認知症サポート医である杉並区医師会の先生方のお力もおかりをいたしまして、認知症の早期対応に取り組んで、あわせて地域包括ケアの実現を進めてまいりたいと思います。認知症高齢者が住みなれたこの杉並でいつまでも安心して生活が継続できるように、しっかりと対応してまいる所存でございます。
 なお、岡山大学の視察につきましては、大変興味深くお聞きをいたしましたことを申し添えます。
 私からは以上であります。残りのご質問は、担当部長よりご答弁申し上げます。

◎まちづくり担当部長(和久井義久) 私からは、新たに開発する耐震シェルター、耐震ベッドの助成に関するご質問にお答えいたします。
 まず、助成対象建築物ですが、昭和56年5月以前のいわゆる新耐震基準前の建物としており、65歳以上の高齢者及び災害時要援護者を助成対象者としております。
 助成金につきましては、設置費用の90%とし、上限を50万円としております。なお、予算は300万円を計上してございます。
 次に、助成対象となる製品ですが、都が安価で信頼できるものとして公表している製品としております。
 都の耐震シェルター等の選択方法ですが、2年から3年に1度公募いたしまして、専門家による評価委員会を開催し、審査の結果判定すると聞いております。
 なお、選択基準につきましては、応募する製品の独創性を狭めないために、特に設けていないと聞いております。
 私からは以上でございます。

高齢者担当部長(渡辺均) 私からは、認知症対策に関する一連のご質問にお答えします。
 まず初めに、認知症サポーターに関するお尋ねですが、区では、地域の方々に認知症の理解を深めていただくことが認知症対策では大変重要であると認識しており、認知症サポーター養成は平成19年度から始め、現在まで7,790人に達しました。今年度からは年間1,300人の養成目標を立て、平成27年度末には累計1万人を養成する計画でございます。そのためには、認知症サポーターを養成する講師であるキャラバン・メイト講習を地域大学の講座に取り入れ、新たに47名のメイトが誕生し、それぞれの地域特性に合わせた方法でサポーター養成講習会を実施していただき、認知症高齢者や家族が安心して生活できる地域づくりを目指してまいります。
 次に、認知症予防と高齢者の運動に関するお尋ねですが、平成23年の高齢者実態調査によると、健康に気を使っていることとして、約6割近くの方が散歩や運動をするとの回答がありました。今後とも、仲間と楽しく歩くなどの軽度な有酸素運動が認知症予防に効果があると言われており、ウオーキング等の運動プログラムを通して、介護予防、認知症予防の普及啓発を進めてまいります。
 次に、認知症介護指導者等に関するご質問にお答えします。
 昨年度末までの受講修了者数は認知症介護指導者が3名、かかりつけ医認知症対応力向上研修が90名、認知症サポート医が16名となっており、いずれも東京都医師会が東京都からの委託を受け、実施しているものでございます。特に認知症サポート医に関しましては、12カ所のケア24でものわすれ相談をお願いし、早期発見に効果を上げているところでございます。
 また、事業所等が受講する認知症対応力向上のための認知症介護実践リーダー研修受講修了者数は、36名となっております。
 次に、専門医療機関との連携などに関するお尋ねですが、現在区では、在宅医療推進協議会医療と介護の連携作業部会におきまして、区民の在宅療養生活を支えるには多職種連携によるチーム対応が重要であるとの方針のもと、的確な情報共有を積極的に進めるために、連携のガイドラインや連携シートの作成を検討しており、認知症高齢者の支援においても十分効果を発揮できるものと考えております。
 なお、区民健診の担当医やかかりつけ医と専門医療機関との連携につきましては、今後医師会とも十分協議してまいります。
 次に、認知症ケアパスに関するご質問にお答えします。
 区といたしましても、個々の認知症の状態に応じた適切なサービス提供の流れを記したケアパスによって、効果的なサービスを途切れることなく提供することができ、その作成は必要なことと考えております。現在、在宅医療推進協議会の認知症対策部会におきましても、ケアパスは今後の検討課題としており、浴風会病院認知症疾患医療センターなど関係者の意見を十分に聞きながら、協議、検討を進めてまいります。
 私からの最後に、認知症カフェに関するご質問にお答えします。
 現在区内には、阿佐谷北、成田東、成田西の3カ所において、NPOなどが立ち上げて運営をしております。阿佐谷北の認知症カフェにおきましては、間もなく開設2年を迎え、認知症ご本人やご家族の方々が集い、1人で悩みを抱え込むことなく、語り合える場として定着してきていると伺っております。
 開設に当たりましては、管轄のケア24が、地域資源の情報提供やご家族への周知など、積極的に後方支援に当たっており、区としても今後地域包括ケアを進める中で、地域のインフォーマルサービスの1つであると認識しております。
 私からは以上でございます。